VARIS PROJECT – SUPER GT

限られた時間の中で、いかにポテンシャルを高められるかがキモ

『エアロパーツはドレスアップパーツではない。クルマのポテンシャルを高めるためには無くてはならないチューニングパーツである』

1990年頃、当時のエアロパーツというと、見た目を変えるためのドレスアップパーツと認識している人が非常に多かった。まずはそんな常識を変えたかった。そこでVARISでは市販車両向けのエアロパーツに“機能”という付加価値を注入。現在では皆さまから戦闘力を高めることができる、“チューニングパーツ”として認識されるようになりました。

前置きが長くなりましたが、VARISとスーパーGTとの関係は1998年から始まった。スーパーGTの前身となる全日本選手権に参戦するマシンに、エアロパーツの供給を開始しました。マシンはR33GT-R、AE86、SW20などのエアロ開発に携わっておりました。
なお現在、GT300に参戦している多くのGT3マシンはエアロパーツの開発がレギュレーションで禁止されていますが、まだGT3が実践投入される前はVARIS製エアロを装着しておりました。

2008年・第6戦より『初音ミクStudie GLAD BMW Z4』に 当社インポートブランド【VRS】より、エアロパーツの供給を開始。当時を振り返ると『痛車がレースで走る』と言う話題が先行し、結果的にはシーズン途中と言う事もあり、良い結果が残らないファーストシーズンでもありました。

2009年にはチーム体制も変り、搭載されるエンジンもシーズン途中よりV8・4Lエンジンに変更。当然、装着するエアロパーツも新たに新規開発し戦闘力も大幅に向上。その結果オートポリスでは予選11位、決勝10位と初のポイントを獲得。この得られたデータや技術はその後の【VARIS・VRS】で市販化されるエアロパーツにフィードバックされることとなる。

2011年2月、チーム体制を大幅に変えた『GSR&Studie with teamUKYO』にスポンサードが決定。マシンは新たにE89Z4GT3に変更され、マシン名も【初音ミクグッドスマイルBMW Z4】。ドライバーはもちろん『優勝』のふた文字を見据えたチームへと生まれ変わる。まだシェイクダウンしたばかりのマシンで第2戦富士ではスーパーラップにも進出。結果、見事シリーズチャンピオンに輝いた。

その代表となるのが、初音ミクのキャラクターでおなじみ「初音ミク グッドスマイルBMW Z4」です。2008年からエアロ開発を開始し、毎年のようにマシンを進化させ、2011年には見事シリーズチャンピオンを獲得しております。

GTマシンは普段、ストリートで走行することはないレーシングカーですので、デザインは機能を最優先して考えます。一見、なんでもありなので自由度が高いように感じますが……、GT300マシンは自動車メーカーがサポートしているGT500マシンのように、エアロを開発する度に風洞実験でテストを行っている訳ではありません。つまり新開発したエアロの性能が良いのか悪いのか? エアロでもっとも重要となる空力性能が数値で判断することができず、ドライバーのコメントが唯一の指標となります。それ以外は、データロガーから水温や油温を確認し冷却性能の善し悪しを判断しつつ、ロングランテストでは強度確認などはしっかり行えます。

GT3マシンにスイッチしたため、これまでのようなフルサポート体制ではなくなってしまったが、VARISでは引き続きStudie BMW Z4へのサポートを行った。VARISでは今後も、国内最高峰のスーパーGTにてエアロパーツを開発し、そこで得た最先端なテクノロジーを市販モデルにフィードバックしていく。

走行テストで得たデータをもとに形状を変更し、次の走行テストに間に合わせる……。開幕までに時間はあまりなく、短期間でいかにポテンシャルを高められるか?がポイントとなってきます。開発担当スタッフ曰く「もう少し時間に余裕があれば……」。これがオフシーズンの口癖です(苦笑)

さらにテスト結果が良好だった形状をベースに、いかに軽く、そして必要な強度を出すか? ここからはミリ単位、グラム単位での煮詰め作業となっていきます。GTマシンのエアロはワイドボディ化されるのが必須なため、必然的に重量がアップしてしまいます。最新のカーボン繊維、そして最適な専用樹脂を吟味し採用しております。さらにパーツの厚さ等の管理も徹底して行います。ここにはVARISが持つテクノロジーのすべてが詰まっているといっても過言ではありません。

これらのレースマシン開発で得たノウハウは、市販モデルの開発にフィードバックされます。走行風の導入方法やアウトレットからの熱気の抜き方、軽さと強度の両立など、さまざまなノウハウが市販モデルに凝縮されています。